NTT OCN固定IPは着信できるのが最大のメリット
では、追加料金を払ってIPアドレスを固定IPにする利点は何でしょう?
その一つは、外から自分のパソコンにアクセスできることです。
この理由を理解するには電話を思い浮かべるとよいでしょう。
友達に電話をかける場面を想像して下さい。
あなたは受話器を取り、友達の電話番号をダイヤルすると思います。
当たり前だと思うかもしれませんが、友達の番号はいつも同じ(=固定)です。
例えば、日によって電話番号が変わったりしません。電話番号が変わらないから、その番号で友達を指定できるのです。このように着信側の電話番号は固定である必要があります。一方、発信しかしない電話は、番号が固定されている必要はありません。一般の電話の番号がどれも固定なのは、着信することを前提にしているからです。
インターネットに話を戻すと、IPアドレスがまさに電話番号と同じ役割をしています。
発信専用であればIPアドレスは流動的でかまいません。
しかし着信も必要であれば、IPアドレスを固定しておく必要があります。
ブラウザを使ってWebを閲覧したり、メールをやりとりするのは発信に当たります。
Webページのデータを受信・・したりしますが、それは着信・・には当たりません。
相手を呼び出してつながったあとに、データを受信するだけです。
したがって、IPアドレスは流動的でかまいません。
しかし、会社から自宅のパソコンにアクセスしてファイルを取り出すといった用途には、自宅のパソコンのIPアドレスを固定にしておく必要があるのです。
通常のIPアドレスが固定IPでないのは、IPアドレスの数に限りがあるためです。
プロバイダはIPアドレスの割り当てを流動的にし、契約者数より少ない数のIPアドレスを使い回します。
一昔前のように、個人ユーザーのほとんどがインターネットにつなぐ際に利用していたダイヤルアップ接続だと、これで問題は生じません。
固定IPアドレスが使いやすくなった
また、以前はどんなユーザーでもIPアドレスが固定的に割り当てられた場合、連絡先などを公開する義務がありました。
これは個人ユーザーにはプライバシの問題で敷居が高い条件でした。
しかしながら近年、IPアドレスを固定し、個人のパソコンをWebサーバーにするような新たな要望が増えてきました。
こうした利用環境の変化を受け、プロバイダがIPアドレスを取得するためのルールがいくぶん緩和されました。
現在、IPアドレスの数によっては、連絡先をプロバイダが肩代わりできるようになりました。
こうした規則の改訂で、家庭でも固定IPアドレスが使いやすくなったのです。